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額面広告の笑顔

皆さんは「額面広告」って知っていますか?そんな言葉を知らなくても必ず目にはしているはず。電車やバスなどの天井から側面にかけて少し湾曲しているスペースだとか、乗降口の左右にあるスペースだとかが、額面と呼ばれるスペースです。いわゆる中吊りといった2~3日で入れ替わる座席上に掲げられているポスターとともに電車広告の中ではメインになる媒体スペースです。掲載期間は先ほどの中吊りに比べ長期なものが多く、1ヶ月~半年といった契約期間が多いのではないでしょうか?その性質上、クライアントとしては、医療関係、法律関係、学校関係など比較的商品やサービスに季節的変動がないもので、公共サービス的なものが多いのが特徴です。掲載費用も割合リーズナブルなものが多く、最近では広告不況という影響からか、空きスペースが目立つのもこのスペースの特色でもあります。

さて、本日お話ししたいのは、このスペースに掲載されているポスターの中のモデルらしき人(?)の笑顔です。もちろん、広告ですからモデルたるもの人を引きつける笑顔がすてきでなければなりません。しかし、このポスターのクライアントは司法書士事務所。そうです、借金の取り立て、すいません言い方が間違えました、過払い金の取り返しでした。でも、本質は借金を抱え込んだ人からお金を巻き上げるといったスキームは変わりないように見えるのですが・・・

サラ金からの違法金利からの返金ですから、社会的にはとても意義のあることだと思うのですが、広告といった面から見ると、果たしてこのような広告表現がいいの?と疑問に思うものも少なくありません。この額面広告の笑顔もそのひとつです。お金が返ってくるのだから、笑顔になるのはわからないわけでもないのですが、そういう形で借金を積み重ねているひとはもっと厳しい状況下での生活をされているのではないか?そんな方が、こんな笑顔?と思える素晴らしい表情こそ、オーバーアクション、JAROにでもひっかかりそうなデザインとうのは、どうなんでしょうかね?

改正貸金業法などの兼ね合いで、司法書士系のこういった広告もこの6月までということを小耳に挟みました。広告というのは、もちろんサービスや商品を知らしめるための方策ですが、そこには夢があってほしい、それも身にあわない夢というよりも、もっと消費者の近いところでの提示というのが最低の広告に携わるものとしてのモラルだと思うのですが。考えさせられる広告でもあり、個人的には少し納得のいかない広告でした。

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